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厚生省の人口問題研究所の推計によりますと、4・5人に1人が65歳以上という世界でも稀な老人国家が世界のどの国よりも早く近い内に到来すると発表しております。
欧州の先進国では百年かかって老人が増加してまいりましたので、順次老人ホーム、老人病院の施設の拡張、充実が見られましたが、我が国では、ここ二、三十年の間に老人人口が増加しましたので、施設設備等が間に合わないのが実情であります。
私儀 老人医療の必要性を痛感し、昨年老人医療を中心とした病院を開設いたしましたが、毎日診察の折には、入院外来医の患者さんより思いもよらぬ種々の事を学びました。
特に老人性痴呆の問題は、誰もが行き詰まる事柄で、例えば昼は良いお年寄りの方が夜になると夜行性動物のように徘徊し、道路にうづくまっていたり、又、排泄物を手で捏ねて壁に塗りつけたりするような事は、個人の看護の限界を超えておりますのでどうしても然るべき施設を作る必要を感じる次第であります。
特に宇都宮市は県都では有りますが現在のところ特別養護老人ホームは済生会病院内に有るだけと聞いております。
諸情のことを考えますと、この人口の多い宇都宮市に特別養護老人ホームを創設し短い経験ではありますが、毎日、毎日の診療の研鑚を土台に老人の福祉に大いに貢献したい所存で居ります。
昭和56年12月8日
医師 飯田 弘道
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